塩焼きを食べに行こ

埼玉県に住む大学1年生。焚火の温かさに心惹かれています。

あとにするよ

 

本州より圧倒的に涼しいこの町から出て行くよ。

 

いつかまた来るからさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-本文-

 

北の繁華街すすきのはカオスな街なのだろうが、冷え込んだ夜はどこかさっぱりした空気が流れていた。やはり寒いと血が騒がないのだろうか。新宿歌舞伎町とはだいぶ異なる感じだ。

 

 

なぜ函館より北にある札幌が暑いのかと思った3日目の朝はもういない。この日は知人と夕方市内を流れる豊平川で釣りの約束をしていたため、日中は市内を周ることにした。

 

 

あくる日、高校の同級生の待つ北見市へ向かった。今回は列車に乗り込もう。毎日1本しか出ていないため、乗り遅れは禁物。乗って見れば理由はわかった。まず家が無い。そして人も。

 

 

よくテレビ東京の某番組で、秘境駅について取材に行くが、リアルで見ると中々の迫力はある。なぜこんな所に駅があるのか。場所によっては、駅舎も無い場所もある。今は行楽シーズンだからそこに降りて列車を撮るカメラマンもいるが、普段は線路沿いの風景の一部でしかない。

友人と合流したその日は、飯を食って近況を話し次の日に備えた。

 

 

その次の日は、どうしても行きたかった知床に行った。鹿や狐は本州でも見るが熊が出てきたのは驚いた。しかし、それを見て車を停め餌をやる人間もいた。きっとジェラシックパークに行くような奴もこういった考えで食われるのだろう。動物園慣れした人間ほど愚かな者はいない。

 

 

翌日はレンタカーを返しに網走まで。近くの釣具屋で道具を買い、堤防へ。友人も連れて来ていることもあり、川には行かなかったが魚も簡単に釣れて、こういう釣りもたまにはありかなと思えた。

 

 

北海道での釣りはポイントの知識と車が無いと無理。何度も試みたが、熊への恐怖と連日の雨での増水でできなかった。そして大きい河川と湖の圧倒的経験不足で手が出せない自分に苛立った。

 

 

道具と経験を本州で積むの決め、この地を去ることにした。

 

 

そして旅立って1週間。友人と別れを告げ本州へ向かっている。

 

 

 

 

 

-あとがき-

 

 

今までの日々から学んだのは、自分は家以外の場所で同じ場所に2日以上いると飽きることがわかった。

 

 

刺激が無くなるとかそういうことでは無いが、一度行った場所には興味を持てないらしい。ではなぜ釣りには飽きないのかと考えたが、行く時々で景色や魚の模様の違いが、自分を飽きさせていないのだと思う。

 

 

街中の風景は1日にして大きく変わることはない。だから飽きてしまうのだ。

 

 

逆も言える。以前千葉の山の中で1週間ほどただ働きしたことあるが、やはり途中から飽きてしまったのを覚えている。自然の中で社会の乖離したその空間でも日常になった途端飽きがくる。例え面白かったとしても。

 

 

言われてみれば、高1の時彼女ができた時も、すぐに飽きてしまった。別に彼女のことが嫌いになったわけではない。でも非日常を日常として手に入れると途端に飽きてしまう。

 

 

だから、ここからはゆっくりせずにひたすら南下しようと思う。行ければ名古屋まで行きたいな。