塩焼きを食べに行こ

埼玉県に住む大学1年生。焚火の温かさに心惹かれています。

サービスエリア、そこは社会の縮図だと感じた最後のヒッチハイク旅

 

f:id:duuki0721:20180217204907p:plain

 

f:id:duuki0721:20180217003300j:plain

 

 

ヒッチハイカーと喫煙所に数人の大人、遠くに明るく輝く店内の明かり。この写真を見てみなさんはどう感じるだろう。なぜ僕らがここに立っているのか。じっくり考えてみてほしい。

 

 

 

 

車の免許取得後初めて、そして人生最後のヒッチハイクをしてきた。

 

目的地は群馬県沼田市。大学入試が前日まであった友人と2人で釣り道具を担いで家をでた。僕らの最寄りは関越自動車道花園ICであり、そこからいくつかのSAを経由して行く計画だった。最寄りといっても歩いて行くと3時間以上かかるため、下道でもヒッチハイクを行った。3台目で高速に入ることに成功。このまま順調に行けば2時間半で着くはずだった。ところが現実は厳しかった。

 

僕らは普段通り、人々から発見されやすい場所で始めた。大きなSAの少ない埼玉県では上里は人気もあり、人も多いため高確率で捕まると目論んでいたからだ。

 

しかし僕らに悲劇が起きた。

 

建物から3人ほどのスタッフが駆けつけ、こう告げた。「高速道路でのヒッチハイクはお客様の迷惑行為となりますので、これ以上続けるようでしたら警察を呼びます。」

 

人間とは、罪の意識があるときに“警察”という言葉を聞くと半ば諦めがつくだろう。しかし今回は違った。僕ら2人には、全く罪の意識がなかったので動揺せざるおえなかった。

 

どうやら僕らの姿を見たドライバーがサービスカウンターに通報したらしい。確かにヒッチハイカーは道路の脇で立つので、興味無い人にとっては邪魔物以外の何者でもないことは充分承知している。だからといって、そういう気持ち(通報したドライバーの様な方)に対して反発する気持ちは無い。

 

なぜなら僕らを通報したドライバーの行動は決して間違っていないからだ。僕らは人情に浸りすぎていて忘れていたが、ヒッチハイクとは完全人情頼りの旅で、行方はドライバーに掛かっている。だから僕らを乗せようとも、邪魔だからといって警察に通報しようが自由なのである。

 

 

そもそもなぜヒッチハイカーは高速道路を目指すのか説明しよう。

 

・寝れる

・確実に長距離移動ができる

 

SAは基本24時間営業であるため、その日中にドライバーを見つけられなくても、フードスペースのベンチで寝ることができる。これは最重要事項といってもよい。これがあるために思い切った行動にもでれるため、保険の役目を果たすのである。

 

それに確実に自分たちと全く同じ進行方向のドライバーがいることである。それも長距離で。

 

だから多くのヒッチハイカーは、何が何でもSAを目指すのである。しかし今後は先に述べたようなことが本格化する可能性がある。なぜなら高速道路内に歩行者がいる事例が頻繁に起きているため、事故の危険性から、高速道路ないでのヒッチハイク禁止運動がしだいに強くなると予想されるからだ。

 

僕も警察に連れていかれたという事例を聞いたことがあったが、知り合いのヒッチハイク経験者からは聞いたことがなかったため都市伝説だと思っていた。

 

だが今後は違う。

 

 とはいうものの釣りの帰りもしっかり高速を使ってヒッチハイクをしてきたのである。その結果が明るい店内から離れて、さらに喫煙スペースより後ろでこそこそヒッチハイクをすることになったのだ。

 

最近喫煙者を社会から排除しようとする動きが加速しているが、僕らヒッチハイカーはさらに酷い目で見られているのである。これはまさにサービスエリアという場が社会の縮図となっていると言えるのではないか。

 

そんなことを感じた人生最後のヒッチハイク旅であった。

 

 

 

編集後記

ヒッチハイクからは様々なことを学ぶことができた。今後もヒッチハイクに挑戦する若者の素晴らしい人生経験であり続けることを願っている。

 

 

僕はこの旅をもってヒッチハイカーを引退する。これは家を出る前から決めていたことである。今後はヒッチハイカーを乗せる立場になりたいと思っている。だからもしSAで彼らを見つけたら乗せてあげたい。そして彼らの持っている哲学について問いたいと思っている。

 

今回の事案は話のネタとして、これからも語り続けていきたいと考えている。

 

それでは。